もともとこの型のHPVは「性体験」さえあれば、誰でも感染しえます。
前回、感染する女性が少なくとも50%と書きましたが、
50歳までに性体験のある女性の80%がかかるという報告もあるくらいです。
そして「性体験」といっても粘膜が触れればアウトですから、
唇を吸い合うようなキスや、ほんの少し舌を入れるようなキスも含まれます。
大陰唇などに触れてもダメですから、コンドームをつけても防ぎきれません。
つまり、ほとんどの人がNGになるはずです(笑)
ハイリスク型のHPVは日本だとあまり知られていませんが、
目に見えないところで世界中にごくごく普通に広がっています。
専門家によっては「風邪のようなものだ」言うくらいありふれたものです。
なので、感染すること自体はほぼ避けられないと言えるでしょう。
さらに、困ったことに感染しても症状がありません。
つまり感染したことに気づかないということです。
これがかなり厄介なところで、感染を広げている大きな原因となっています。
イボができる尖形コンジローマなどは分かりやすいのですが、
あれはちゃんと治療すれば癌にはならないため「良性」と呼ばれています。
癌につながる「悪性」のものほど気づきにくいんですね。
でも、そんなに心配はいりません。
免疫力が正常にはたらけば、2~3年のうちにウイルスは自然消失します。
放置すれば治るということですね。
女性の80%が全員子宮頸癌になったら大変です。
増えているとはいえ、さすがにそこまで多くはありません。
大抵の人は知らないうちにかかって、知らないうちに治っているんですね。
<ハイリスク型HPVと子宮頸癌の関係>
問題はここからです。
基本的には自然治癒するのがハイリスク型HPVですが、
感染した女性のうち、10人に1人の割合で長期感染する人がいます。
2~3年で治らないで、5年、10年と感染が続くわけですね。
そして、さらにそのうちの10人に1人の割合で、
感染より半年~1年後に「異形成」が現れます。
異形成とは癌のもとのようなもので、(前癌病変)
これ自体は無害ですが、これが成長すると癌になってしまうわけですね。
でも、大抵の異形成はこれまた免疫力で自然に治ります。
異形成から実際の癌に進行するのも10人に1人と言われています。
以上をまとめて計算すると、ハイリスク型HPV感染者の
1000人に1人が子宮頸癌になることになります。
つまり、確率的にはものすごく低いということです。
ただ、簡単に感染するというのが問題になります。
仮に、性体験をする年代の女性が全部で2000万人いるとします。
そのうち50%がHPVに感染したとすると、1000万人です。
その1000分の1は、1万人です。
かなりの人数ですよね?
実際、日本では年間7~8000人が毎年発症しているといいます。
確率は低くても、誰もがかかるだけに発症数は多いわけですね。
怖がりすぎる必要はありませんが、油断はできません。
<子宮頸癌にならないためには?>
子宮頸癌にならない方法は簡単です。
分かりますよね?
そう、ハイリスク型HPVにかからなければいいんです。
またはかかってもすぐに治療してしまえばいいんです。
でも、残念ながらHPVの治療薬は存在しません。
まぁ放置すれば勝手に治るわけですし、進行する割合が極めて低いですから、
研究者も治療薬を作るエネルギーが湧かないのかもしれません(笑)
それは冗談ですが、今は治療より予防ワクチンのほうが研究が進んでいます。
実際、海外で予防型のワクチンが先に開発されました。
(いつかそのうち治療薬も開発されるだろうとは言われています)
ただこのワクチン、ぴったり当てはまる型でないと全く効果がありません。
16型のワクチンをして、18型の人とセックスしたら、
簡単に感染してしまうわけですね。
しかも、効果は永久…どころか、数年程度と言われていたりします(苦笑)
まだ開発されてから数年しかたっていないので、誰にも分からないんですね。
書いていても、かなりいい加減だなと感じます。^^;
さらに、ワクチンはあくまでも「予防」ですから、
性的経験が皆無の状態でなければ意味がありません。
なので、海外では12歳くらいに接種しています。
が、あまりに若いだけあってか副作用も起こっているようで、
ひどいケースだと、イギリスでは死者も出たようです…。^^;
このあたりはあまり公にはされておらず、
「ワクチンとは関係ない」というのが政府の公式見解です。
都合が悪いことを隠すのは、どこの国も同じですね(苦笑)
まぁインフルエンザワクチンなどでも副作用はあるので仕方ないのですが、
若いうちで無いと意味がないというのがつらいところですよね。
そして最近、日本でも同じワクチンが承認されました。
まだ保険適用はされませんが、今後はワクチン利用者も増えることでしょう。
ただ、上に書いたような事情もあるので、
日本で浸透するのはまだ先のことのような気がします。
これだけだと悲しいので、子宮頸癌にならない方法をもう1つ紹介します。
それは「定期的に検査を受ける」ことです。
HPVに感染しても子宮頸癌に進むのは1000分の1ですから、
感染したこと自体をそんなに気に病む必要はありません。
問題は運悪く1000分の1に当てはまったときですが、
これも適切な対応ができれば大丈夫です。
上にも書きましたが「異形成」自体は別段問題ありません。
そして、子宮頸癌になる前には必ずこの異形成が出現します。
つまり、目印になるということですよね?
なので異形成の段階で発見すれば、子宮頸癌にならなくて済むわけです。
つまり、定期的に検診を受けることで癌化を防ぐことができるんですね。
実際、子宮頸癌は「100%予防できる癌」だとも言われています。
(本当に100%かどうかは別として、かなりそれに近いはずです)
定期的な検診は子宮体癌やその他の病気の発見にもつながりますから、
ぜひとも年に1度は受診するようにしましょうね。
次回は男性への影響です。
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